日本料理 お寅 – 広尾/日本料理

東京都

いつの日か修行先の師匠を
追い抜いてほしい期待の一軒

銀座とり澤を訪問した際に、シレッと焼き場担当から紹介して頂いた一軒。

東京メトロ日比谷線の広尾駅から徒歩数分の2025年11月にオープンした日本料理店。店内は調理場と客先カウンターが同じ高さの開放感あるカウンター席が印象に残る。

店主は広島県内の専門学校卒業後に上京し、大森海岸「まき村」をはじめ複数の店で約7年間経験を積んだ後に独立。

修業先の「まき村」は2025年12月に休業を宣言しながら常連客に背中を押されてなお続いているような、業界では別格の存在感を持つ店である。そこで腕を磨いた28歳が自らの店を構えたのだから、注目せずにはいられない。

2026年4月現在、10〜11品程からなるおまかせコースのみ、27,500円。店のテーマは「旬間(しゅんかん)」。揚げたて・焼きたてなど、調理した旬の食材をもっとも美味しい瞬間に提供することを徹底しており、火入れや盛り付けのタイミングを含めた一連の流れを一つの食体験としてカウンター越しに楽しませるスタイル。スッポンの身と出汁をパン生地で包んで揚げた「すっぽんパン」、白海老の昆布締めに長芋とうるいを合わせた先付など、伝統的な日本料理の文法を踏まえながらも若い発想を随所に感じる構成になっている。日本酒は「酒ディプロマ」の資格を持つ店主大浜さんが全国から目利きした銘柄を揃えており、ペアリングの観点でも抜かりない。

米や肉などの素材は自ら産地へ足を運んで選び、新潟・十日町の農家から直接仕入れるコシヒカリを使うなど、食材の調達に対する姿勢も若さに似合わず真摯である。「生育環境や作り手の思いを料理に反映させたい」という言葉は、まき村で培った食材への向き合い方が根底にあることを感じさせる。

オープンからまだ日が浅く今後の深化が楽しみな段階ではあるが、この価格帯・この立地・この構成でスタートを切れる力量は本物と見てよいだろう。

修業先の三つ星を将来追い越す力を秘めた一軒として、定期的に訪問しておきたいお店になる。

料理内容(参考)

 ある日のおまかせコース

先付
牡丹海老

↑昆布締め牡丹海老に出汁ジュレと山芋、
うるいをのせた一品。ねっとりとした甘い
牡丹海老と酸味ジュレのバランス感。

すっぽんパン

↑カレーパンのパン生地の中に鼈餡を入れた
スペシャリテの一品。一口齧って龍圓
頂くすっぽん春巻きの餡の旨味に近い味を
感じ取れた事と数日前に飯田の柚木元
再訪した際、散々すっぽんを食べていた事も
あり直ぐに服部中村鼈の使用を確信した一品。
上記、春巻きともまた異なる味わいで面白い。

富山 白海老真薯の御椀 柚子の花

↑真薯以上に出汁の風味と柚子の花から
出てくる香りに印象が残った一品。

お造り
(北海道生雲丹、淡路鯛、海苔)

↑一日寝かせの鯛と雲丹、海苔、山葵、塩、
酢橘を口にした時の一体感。普段お造りで
なかなかおっと思う味に出会わないのだが、
この日は六本木にある海底湧水に拘る明寂で
頂いたお造りを思い起こさせるような味わいに
少々驚かされた。

オホーツク海毛蟹 福島ホワイトアスパラ

↑蟹餡と蟹身とホワイトアスパラ。
旨味、旨味、旨味。

カリフラワーの擂り流し

↑擂り流しの繊細さ半端ない。

穴子と香川神経締めアスパラ

↑魚はあるある神経締めだが、野菜はあまり
耳にしない神経締め。魚同様の締め方で野菜
の甘味旨味を引き出すようで普通のアスパラ
よりは旨味が若干強めだろうか。
穴子はここ最近では目にしない表面厚く
カリッカリにした揚げ方で食感はっきり。

宮崎江田牛イチボ 花山椒

↑下が熊肉だったら見た目は森のクマさん。

筍ご飯

↑根付き筍を使用したご飯。
ここ最近頂いた筍ご飯の中でも風味旨味が
まるで別次元でこれはメチャ美味!

マスクメロン

↑下の杏仁豆腐と合わせると品の良いスイーツ
に変身。予約も取りやすいから定期的に訪問
してみよう。これは美味い飯。🙏

お店の場所・予約方法

東京メトロ日比谷線 広尾駅4出入口から徒歩7分程度

予約方法:電話予約又はネット予約他

TEL:03-5962-7679

予算(参考)

滞在時間:およそ2時間程度
注文した料理 おまかせコース、ハイボール:1杯、日本酒:グラス1杯
会計:33,220円(2026.04現在)