地産地消中華の異端にして頂点
かつて楽食健美クロモリがあった広瀬川を見下ろす高台の鹿落坂沿いに建つ一軒。仙台市街を見渡せる立地で、窓の外を広瀬川が流れ対岸にウェスティンホテルが見えるというロケーションはこの店の体験の一部になっている。
オーナーシェフは武蔵野調理師専門学校卒業後、仙台のホテルで17年間中華料理のシェフとして腕を磨き、2014年に全日本中国料理コンクール熱菜畜禽部門で金賞・農林水産大臣賞を受賞。2021年にはDRAGONCHEF2021の宮城代表に選出される。
コンセプトは生まれ故郷の山形と料理人として育った宮城を「ひとつの県」として捉えた地産地消。松石シェフが自ら畑や海へ足を運び、生産者の顔が見える食材のみを使うというスタンスを徹底している。メニューリストには料理ごとに産地が明記され、両県の食材への真摯な向き合い方がコース全体から伝わってくる。
料理は少量多皿のおまかせコース一本。中国茶との組み合わせで提供されるデザートの仕上がりも抜かりない。中華の皮を被りながら実態は東北の食材の魅力を最大限に引き出す精緻な料理で、「自分が知っていた中華とは全然の別物」という感想がそのまま核心を突いている。なかでも金華豚の叉焼は、これまでの焼豚・チャーシューの概念を更新するという声が複数の口コミに見られ、一品としての完成度が際立っている。
仙台を目的地にした食旅の文脈でこの店を選ぶという判断は十分に成立する。鮨徳と並べて覚えておきたい、仙台の食の水準を語る上で外せない一軒になる。
料理内容(参考)
ある日の菜譜
ホヤ・筍・木の芽

↑ホヤと筍の旨味が引きでたスープに
木の芽の香り。繊細さから期待高まる。
鰆・石鯛
こごみ

↑エゴマの実で和えたこごみに1週間熟成の
神経締め鰆に上から発酵させた新玉葱と
神経締めした石鯛に山椒のソース。魚は和、
ソースは中華の世界観広がる一皿。
鮃
くわだい

↑七ヶ浜の神経締めした鮃、山形くわだい山菜
を使った春巻き。パリッパリで繊細な味わいに
仕上がった皮に淡白な味わいの魚と相まって
感動が高い一皿。
蕗の薹
うこぎ

↑うこぎ(木の新芽)を使用した焼売と蕗の薹
を使用した餅米焼売。上には末家味噌。
咀嚼で山の光景が浮かび上がる焼売、そして
自家製の末家味噌がこれまた美味い。
真鯛
根曲がり竹

↑ベースに根曲がり竹、神経締めした真鯛の
炭焼き、上には葉玉葱ソース。ヤングコーン
のような味わいを遠くで感じる根曲り竹が
やたらと印象に残った一皿。
鮑・春キャベツ

↑石巻鮑の炒り焼き(チェン)に肝ソース、
自家製XO醬。濃厚な肝ソースをキャベツ
で優しく包み込むような一皿。どこぞの
鮑のステーキより感動があるような…。
蔵王牛
アスパラガス

↑甘えんぼうアスパラガス、山ウド、
サテソース、上にはシャートーブリアン。
毛蟹
タラの芽・つや姫

庄内小麦・三つ葉
しじみ

↑麺飯共にガンガン箸が進む美味い飯。
シェフが選んだ中国茶

↑東京外苑前の慈華で食後に頂いたお茶に近い
金萱茶特有のココナッツ感と華やかさ
(フルーティー感)のバランスとれたある種
壺にハマった感のある印象に残るお茶。
にこにこベリー

↑苺のシャーベットと杏仁豆腐。
よもぎ

↑表面ココナッツ団子、中身はよもぎ。
非常に面白い味わいと組み合わせ方。
ご馳走様でした。🙏
お店の場所・予約方法
仙台駅西口からタクシーで15分程度
仙台駅西口から仙台市バス・宮城交通 向山二丁目バス停から徒歩1分程度
予約方法:電話予約又はネット予約
TEL:070-8396-0485
予算(参考)
滞在時間:およそ2時間程度
注文した料理 おまかせコース、四季春茶:ポット
会計:20,790円(2026.05現在)