天草の魚を正直に握る熊本鮨
熊本市中央区坪井の静かな住宅街に佇む一軒家。以前は上通りのオークス通りにあったが移転し、現在の落ち着いた空間で夫婦2人が切り盛りしている。店内は白木のカウンターを中心に構成されており、お香の香りが漂う清潔感のある雰囲気。
大将は地元熊本の天草に本拠を置く「鮨小大楼」にて24歳から6年間修業を積んだ後、2016年に34歳で独立開業した。鮨小大楼は特製黒酢のシャリと天草産魚介の扱いに定評のある熊本の老舗で、その仕事を叩き込まれた中村さんが独立後に磨き上げた握りの水準は、熊本の鮨店を代表する鮨屋だった「仙八」が福岡へ移転した今、熊本鮨の筆頭として名実ともに語られるレベルに達している。
シャリは赤酢仕込みで硬すぎず、ネタとシャリの双方が大ぶりという構成が特徴。繭型に握られた一貫は食べ応えがあるが、重さがなく最後まで食べ続けられる軽みがある。シャリサイズは好みに応じて相談可能。ネタは天草・九州近海産を軸に据えている。クエ・真鯛・アオリイカ・鰺・太刀魚・車海老・渡蟹・穴子といった天草の顔ぶれに加え、対馬の穴子など九州各地の魚が季節に応じて並ぶ。なかでもクエの握りは口コミに繰り返し名前が挙がる一貫で、天草クエの持つ旨味の凝縮感と中村さんの仕事の合いが際立っている。香りを中心とした魚味の活かし方が巧みで、「魚って美味しいなあ」という原始的な感動を握り一貫から引き出してくる。
つまみも天草の魚介を主役に据えた構成で、前半のつまみから後半の握りへと流れる全体のバランスが丁寧に設計されている。日本酒は宮城の「来福」など全国からセレクトした銘柄を揃えており、食材との相性を考慮しながら選んでもらうのが正解。
熊本を訪れる機会があれば、その旅の食体験として真っ先に選ぶべき一軒として覚えておきたい。
料理内容(参考)
ある日のランチおまかせコース
天草 マナガツオ

天草牛深沖 クエ

↑ハラス部位、香ばしい。
筋アラ(ミーバイ)

↑昆布締め。
太刀魚

↑穴子かと思う程に大きく非常に柔らかい
食感で美味い。
天草有明海湾内 鯵

↑身質は小鯵との事、大きな一貫。
長崎 ヤリイカ

↑アオリイカが終わりの時期故、この日は
ヤリイカ。刃入れによる作用なのだろうか?
口の中でバチバチ弾ける生のクラスター爆弾。
天然カンパチ

↑ねっとり脂をたっぷり含んだカンパチ。
茶碗蒸し

↑青さ海苔と出汁茶碗蒸し、風味豊かで美味。
天草 天然車海老

↑熊本では丁度美味い時期、らしい。
天草五和町 紫雲丹

長崎 鮪

↑脂しっかりめの薄切り3枚重で旨味感動
がグググッと増幅する一貫。
長崎 伝助穴子

↑箸で拾うのもおっかなびっくりなフワフワ
穴子。口に入れたらほぼ溶けていくだけの
美味い穴子。
味噌汁

干瓢巻き

↑熊本河内町塩屋地区のパリッパリの美味い
海苔がインパクト大な干瓢巻き。
玉子

↑この日はイサキをすり身にして作った玉子。
ご馳走様でした。🙏
ある日のディナーおまかせコース
天草 イサキ

↑タタキにしたイサキ。皮目優しく火入、
身質柔らか、晩柑、ポン酢で仕上げた一品。
天草 シブダイ

↑非常に綺麗な3日寝かせの鯛に熊本三角の
グラントレモン。微量の歯応えと身の脂が
優しくじわ〜り口内に広がる美味さ。
天草 渡り蟹の茶碗蒸し

↑この日はメス。産卵前でしっかりした身質。
中に小アスパラと天豆が入った初夏の一品。
天草 煎り蛸 ミルのお浸し


↑海蘊とワカメを合体したようなミル。
グレープフルーツの身のような食感だが、
味は正にワカメと不思議な食感と味わい。
天然虎ふぐ

↑この時期に虎ふぐとは珍しい。白焼に
牛蒡きんぴらをのせた一品。
クエ

↑腹部分の重ね。
白甘鯛

↑軽く昆布締めにした重ね。
アオリイカ

↑3kg物のアオリイカ。水分多くジューシー。
八代 大和蛤

↑在来種の肝入り、蛤を煮詰めたタレと
少量の柚子。
カンパチ

↑重ね、新生姜効いてて美味しい。
天草五和町 紫雲丹

↑時期終盤、若干の苦味を感じる雲丹。
天草 車海老

有明海 小鯵

↑釣りの小鯵。
沖縄 本鮪

↑中村名物、3枚重ねの鮪。
部位は本鮪だがサクサクとした食感。
長崎対馬 伝助穴子

味噌汁

鉄火巻

玉子

↑この日は鯛をすり身にして作った玉子。
ご馳走様でした。🙏
お店の場所・予約方法
熊本電鉄藤崎線 藤崎宮前駅から徒歩5分程度
予約方法:電話予約又はネット予約
TEL:096-277-4710
駐車場:無
予算(参考)
滞在時間:およそ1時間半程度(ランチタイム訪問)
注文した料理 おまかせコース、お茶
会計:14,300円 (2025.06現在)
滞在時間:およそ3時間程度
注文した料理 おまかせコース、ハイボール:1杯、お茶
会計:23,100円 (2026.05現在)