もはや単なる美味しい鮨店
ではない次元にいる一軒
仕事の都合で福島いわき方面へ毎年出張に行く際に楽しみにしている鮨店「鮨いとう」でたまたま同席させて頂いた全国の鮨店を食べ歩くお客様からのご紹介で知ったお店になる。
なかなか空席は出ないお店になるものの、チャンスあれば是非とも訪問してもらいたい鮨店との情報を得てたまたま前日に空席が出たこともあり訪問。
お店は広尾駅から徒歩10分、恵比寿駅から徒歩15分程の外苑西通り沿いになる。恵比寿駅近くに移転した「鮨 心白」の跡地だっただろうか。(←鮨 心白も美味しいと記憶しているが、スタートから終了まで4〜5時間の長期耐久戦となるため1度訪問してそれっきりになってしまったお店になる。)
店内はカウンター8席のみ。2024年3月現在は1回転のみだが、大将のお話では近々2回転させる予定もあるようなので訪問できるチャンスは拡大するかもしれない。
全体的に単に美味しい鮨ではなく口に入れた後の旨味の広がり変化を楽しむお店という印象が強く鮨好きがチャンスあれば一度は訪問してもらいたいという気持ちが良く分かる一軒である。なかなか空席が出ない理由も納得の一軒になる。
料理内容(参考)
ある日のおまかせコース
山口 虎ふぐ白子
↑虎ふぐ以上に出汁がガツンとくる味わい。
虎ふぐを愛媛白甘鯛からとった出汁で
ピンポイントに受け止め繊細な味わいも
余韻で残る旨味の変化を楽しる一皿。
日本酒 1杯目
↑この日は全て大将おまかせセレクト。
白甘鯛
↑寝かせなしの昆布締め、皮目炭火で焼いた
白甘鯛。身の締めた味わいと皮目に炭の香り
がほんわか残りパリッとした軽い歯応えも
残る極みのような一皿。
鳥貝
↑軽く昆布出汁をベースにした漬け醤油に
酢橘の香りで仕上げた一品。
何故に鳥貝でここまで感動が引き出せるの
だろう。もはや鳥貝とは完全に別物の貝を
頂いているような感覚で一度味わってしまう
と他の鮨店の鳥貝が食べられなくなるのでは
とも思えた衝撃的な旨味と味わい。
唐墨
↑酒を使わず塩だけで仕上げた自家製唐墨。
これは普通に酒が進んでしまう一品。
メジマグロ
↑山葵醤油で頂く藁燻しのメジマグロ。
この辺りは定番だが、美味しい。
日本酒 2杯目
あん肝
↑お好みで山葵をのせて頂く濃厚なあん肝。
普段、筆者も癖でパクパクっと食してしまう
のだが、独特の濃厚さからなのか不思議と
この日は自然とチビチビ食べたくなって
しまった摩訶不思議なあん肝。
牡丹海老
↑和歌山三ツ星醤油で炭火焼きにした一品。
海老全体に染みた醤油の香りと独特なプリプリ
加減が病みつきになりそうな仕上がり味わい。
北海道 紫雲丹
↑紫雲丹の味わい以上にずわい蟹の身、殻、
味噌でとった出汁がメチャ美味!
思わず静岡焼津の馳走西健一で味わった甲殻類
を使わずに甲殻類の旨味を再現した一皿が記憶
に蘇ってくるような味わい。
沼津 血あいギシの中トロ
↑噂に聞いていた通りこの部分の中トロは
本当に美味いしく別物のように感じる一貫。
大トロ
↑こちらも初訪問で驚かされた一貫。これほど
フレッシュで鮪の香りが残っているものは
なかなか出会えない。
日本酒 3杯目
赤身
↑胃にキリッとこない優しい味わい。
障泥烏賊
↑包丁の入れ目が非常に細かく美しく舌で
烏賊の甘味を感じやすい一貫。
長崎対馬 喉黒蒸し寿司
↑一口サイズの蒸し寿司、ベースはポン酢。
この一品はかつて久我山にあった器楽亭で
頂いた喉黒蒸し寿司を思い出す。
愛媛今治 鯛
↑身が厚くもはや旨味でしかない一貫。
京都 鰆
↑脂多くて口中に旨味が広がる一貫。
カンヌキ
↑サヨリの子供。
天草 鯵
↑神経締めの鯵。
ここまでひたすら旨味が続いてきたような
気がしなくもない。
越前蟹の蒸し寿司
↑蟹の旨味が引き立つガッツリ食べたくなる
一品。せいろの下に大葉を敷いて蒸してある
からだろうか微かに大葉の香りが入る品の
良い一品。
天草 小肌
↑大ぶりで美しき小肌。
雲丹巻き
↑サッと口の中で溶ける雲丹。
穴子
コースはここまで。その他この日用意できる
魚は炭烏賊、平目、エンガワ、虎ふぐ、
メジマグロのハラスだっただろうか。
玉子とお米のアイス
↑単純に牛乳、卵、生クリームで作った
アイスよりもより米を遠くで感じる優しい
味わいのアイス。
お店の場所・予約方法
東京メトロ日比谷線 広尾駅1又は2出入口から徒歩10分程度
JR山手線 恵比寿駅東口から徒歩15分程度
予約方法:電話予約又はネット予約
TEL:050-3390-0121
予算(参考)
滞在時間:およそ2時間程度
注文した料理 おまかせコース、日本酒(グラス):3杯
会計:39,180円 (2024.03現在)