料理人とソムリエの二人三脚
料理は勿論、その料理を熟知したソムリエが選ぶお酒が素晴らしいマリアージュを引き出すお店である事は一度訪問するだけでも納得できる正統派日本料理店ではないだろうか。
この日の乾杯のシャンパーニュはドゥ・ブノージュ。先付から柿をくり抜きにしたコンポート等との相性が素晴らしい。
椀物や押し寿司には日本酒「九頭龍」。これも料理との相性抜群。
八寸手前からは仁井田酒造しぜんしゅ純米吟醸うすにごり。まろやか、やわらかなくちどけがやはり料理の美味しさを引き立てる。山田錦や山田穂を使用したお酒とはまた別の楽しみ方ができるので「料理とお酒のマリアージュ」が非常に印象に残るお店と思える。
基本的には食材の持つ旨味を最大限引き立てるように料理を仕上げるため砂糖や調味料を大量に添加する日本料理を好む方にはおすすめしない。
おまかせコースは2〜3種類程度あったと思うので予算に応じて利用するのが良いだろう。
(2023.09追記)
9月8日にリニューアルオープンしたとの事で今回再訪してみたが、カウンター6席と2人用の個室カウンター、さらに2部屋6名の個室席が設けられ和食店としては珍しい鉄筋一部剥き出しの店内へとリニューアルした。ただ、完全に完成しているわけでもないようなので日を追う毎に少しづつ内装は変化していくものと思われる。
また、大将と二人三脚で活躍されていたソムリエが常に常駐しなくなってしまったため、料理とお酒のマリアージュを楽しんでいた方の評価が今後どうなるのか若干気になるところではある。
料理内容(参考)
ある日のおまかせコース
シャンパーニュ
↑対して飲めないクセについついオーダ
してしまったシャンパーニュ。
膝掛け
↑好きな柄を選んで食事のお供に。
必要あれば持ち帰りも可能。
南京のすり流し 南京豆富 山葵
雲丹2種
↑糖度20というだけあって甘い南京。
雲丹2種と混ぜて頂く始めの一品。
冬瓜 鯛の淡々
↑鯛の頭と酒で炊いた淡々が優しく薄味で
繊細。酒だけで炊いた食材の持つ旨味を最大
限引き出す淡々は感動的な旨味。
牡丹鱧 菊
↑フワッフワの牡丹鱧が美味い。
そしてやはり出汁美味な一品。
日本酒
↑前回頂いたにごり酒の方が好みではあるが
こちらの方が甘さ控えめなので日本料理には
合わせやすいだろうか。
鯛のタタキ 山葵醤油
唐辛子柚子 塩 赤南蛮
↑味変を楽しむ鯛のタタキ。
藁焼きで皮の部分から軽くスモーキーな香り
を放つ美味しさ引き立つタタキ。
太刀魚の筋目 出汁で炊いた里芋 イクラ
三つ葉 天然花びら茸とチチタケ
↑トリッパのような形状のチチタケが旨味
濃縮していて美味いと感じた一皿。
漬けかつお 銀杏 蒸し寿し
↑銀杏が程よく濃い漬けを上手に中和する
良い味わい。
翡翠茄子の白和え 茶豆 さつま芋の茶巾
千葉生落花生 茗荷の甘酢 牛肉のしぐれ煮
まつたけフライ 小松菜のお浸し
↑食材の持つ旨味を最大限に引き出すためか、
非常に優しい味わいの翡翠茄子や茶巾。
かと思えば牛しぐれ煮等やフライはしっかり
とした味わいに強弱がはっきりとしていて
分かりやすく美味い。
日本酒
赤ムツ塩焼き 柔らか蓮もち
擦りおろし蓮根 甘露煮の栗 胡麻酢
↑擦りおろした蓮根がトロロ程の粘り気を
出さないので大根おろしのような感覚で
ペロリと頂ける赤ムツ。味変の胡麻も美味。
これまた甘露煮の栗の自然な甘さが印象に
残る味わい。
あかやまどりと天然うど 鼈
↑鼈ベースの出汁と身が美味い。
鮎ごはん
↑鮎の卵が食欲を湧かせる鮎ごはん。
お腹に余裕があれば鮎ごはんの前に徳島郷土
料理のそば米雑炊(そばの実と刻み野菜を鶏
出汁で雑炊仕立てにした料理)も出るようだ
が、米続きで食べ過ぎになるのでノーオーダ。
鮎ごはん かき玉のせ
↑鮎の骨でとった出汁で作ったかき玉を
のせ味変。やはり旨味の引き立て役は鮎の卵
だろうか。妙に卵が旨味反応を出す一品。
無花果あんみつ
(黒無花果 グラニテ 白玉 煮小豆 寒天
チーズソルベ)
瓶詰め
水蕨 自家製酢橘ジュース 蕨餅 巨峰
↑わお!、この味わいは東京駅近くのセザン
のデザートで頂いた一品に味は瓜二つ。
リコッタチーズとリコッタサラータをブレンド
したチーズソルベがこの味わいを引き出すの
だろうか。酢橘ジュースが口内さっぱりと
させる蕨餅で気持ちよく〆。
お抹茶
↑苦味なく頂けるお抹茶。
お店の場所・予約方法
東京メトロ千代田線 乃木坂駅1出入口から徒歩2分程度
予約方法:電話予約又はネット予約
TEL:03-6721-0086
予算(参考)
滞在時間:およそ2時間半程度
注文した料理 おまかせコース、泡グラス:1杯、日本酒:2杯
会計:35,450円 (2023.09現在)