3LDKの空間で作られる現代北欧料理店
singaporeのOutrum Park駅から徒歩数分。Dorsett Hotel裏手に2018年に閉店したRestaurant Andoré(レストラン・アンドレ)の跡地に入った現代北欧料理のお店になる。
世界的に有名なレストランであっても日本のように予約数ヶ月待ちとなる事は海外ではめったになく意外にも数日前に電話したりネット予約を検索してみてると空席があったりする事も多々あるので筆者もたまたま空いていた席を予約して訪問させてもらった。(こちらのお店に関しては気軽に立ち寄れる値付けではないという事も影響しているのかもしれないが…。)
料理の説明が英語だから聞き取れないと躊躇してしまう方もいるかもしれないが、筆者訪問時は東京広尾にある「茶禅華」で数年務められていたスタッフがいたため、コースの初めから終わりまで終始綺麗で分かりやすい日本語での料理説明を聞けたので最大限に楽しむ事ができたと思われる。
コース料理は昼夜同一のおまかせコース一種とペアリングは3種(アルコールペアリンング、ミックスペアリング、ノンアルコールペアリング)となる。ペアリング以外にもドリンクメニューはあるので無理にペアリングを注文する必要はない。
1階席、2階席、3階席とフロアを移動する毎に料理だけでなく見えてくる世界観もガラッと変わってくるので非常に面白い。
昨今の円安の影響もあり会計はなかなかのお値段になるが、食べる事が好きな方であれば一度は訪問してみる価値のあるレストランである事は間違いないだろう。
料理内容(参考)
ある日のおまかせコース
The Kitchen
↑1階は筆者が座った窓側席以外も同じような
ソファー席。奥は映画「ザ・メニュー」で
描かれたようなシェフいっぱいのキッチン。
シェフの号令を聞いているとどうもあの映画
を思い出す内心ヒヤッとしてしまうキッチン。
Råraka’ kalix löjrom
↑パンケーキのような生地の上にクリーム
チーズや魚の卵をのせた北欧料理の一つ。
チーズと魚卵がいいお味。
choux de Bourgogne hazelnut
↑ラングレーチーズ、リヴィエール、コンテ
チーズの3種類とセップマッシュ、甘味噌を
シュー生地に詰めたスナック。
セップマッシュと甘味噌の調合が良いお味。
Croustade artichoke, shiroita kombu
↑スモークな香りが印象的な揚げスナック。
白板昆布は塩気より見た目だろうか。
本日の食材紹介
↑キッチンへ移動せよとの指示でキッチンで
本日の食材と提供する料理の紹介。残り2品
は説明を聞きながらキッチンでの立ち食い。
日本でやったらブーイングがおきそうな提供
スタイルだがグローバルレベルでみればこれ
もありなのだろう。
Tartlette crustacean, broccoli, “hot sauce”
↑カリサク生地にインパクトあり?
Kombu beignet truffle, nutmeg
↑インパクトはフワフワ生地と昆布の塩気か。
The Dining Room
↑がらっと雰囲気が変わる2階席。
1階席は序章にすぎない事を思い知らされる。
Crudo: Shochu Kampachi,
fermented apricot,
Zén réserve caviar, coffee
↑北欧スタイルにしなくても十分美味しく
頂けると思われるがそこは黙って食すべきか。
ペアリングドリンクの塩麹とコーヒーソース
のバランスを楽しむ一品だろうか。
Chawanmushi, teardrop peas,
100 days aged pork,grilled crab
↑1kgからわずか40gしかとれないサンセバス
チャンの涙豆を使用した茶碗蒸し。
美味しいイクラを食したときのポンと割れる
食感を楽しめる一品。
Gindara, spruce & ginger dashi,
coriander, Noir de Bigorre lardo
↑生姜出汁ベースのソースにハーブのような
味わいのスプルース。魚の骨からとった出汁
に見た目も味もお花畑状態。
Onion, almond & liquorice
↑Zén定番の一品。
甘草パウダー、クリーム、アーモンド油の
融合。カリッとしたアーモンドの歯応えと
クリーム、パウダーの見事なバランス感。
これは素直に美味しいと思えた一品。
ペアリングドリンクはドリンク単体では
?な味わい。きのこ出汁にデーツシロップ、
オリーブオイルを調合した物。スープの中の
玉葱の旨味引き立て役といったところだろう。
Juniper smoked lobster,
green sansho, ume kosho,
galangal oil
↑ソースが味しっかりでさっぱりとした
味わい。韓国の梅胡椒、ペルーのペッパー、
ガランガルのジンジャーオイルと酢橘の調合
から引き出される味わいだろうか。
メイン料理のナイフコレクション
↑ナイフの柄はシンガポールの伝統工芸。
シチリアのような明るい色合いに惹かれる
鮮やかさ。
Aged duck, sea buckthorn, foie gras,
stout jus, maitake, Szechuan oil
↑シーバックソーンで作り上げたベリー系の
ソースに香り付けは四川辣油と葉山椒。
世界の味食材が融合したようなソースは
非常に独特な味わい。
French toast ‘Grande Tradition 2008’
↑黒トリュフのフレンチトースト。
サクッとしたトーストに盛りすぎな黒トリュフ
が口に含んで咽せるくらいのボリューム。
Yuzu marshmallow, buntan,
coconut & cardamom
↑デザート皿だけで頂くとさっぱりとした
よくあるシャーベットだが、ペアリング飲料
のココナッツウォータとシンガポールの
ジャンブルの配合によるものだろうか。
味わいは日本の酒粕デザートそのもの。
これは実に不思議な味わい。
Chewy beet, arctic raspberry,
100 years balsamic,
violet ,Tie Kuan Yin
↑ビーツと北極ラズベリーのデザート。
デザート皿は酵母とベリーの酸味そのもの。
甘味はブルーベリー飲料で味わう一皿。
The Living Room
↑デザートで終了と思いきやさらに3階へ
移動し食後の飲み物と子菓子類を楽しむ。
喫煙はこちらの階にあるバルコニーのみ可能。
希少な酒類もたんまりと棚に並んでいるので
これらを注文する事も可能。
Shine muscat, rose & verjus Momo &
pink peppercorn Muskmelon &
Manzanilla
↑薔薇のたれに漬けたシャインマスカットと
ピンクペッパーを塗した山梨の桃。カモミール
ゼリーをのせたマスクメロン。
これもこれでありと思えた味わい。
Waffle Party
Tea,milk,honey
↑バナナクラストとジャスミンティーで軽く
味付けしたワッフル。香り良くサクッと
味わえる。お代わりの用意もあるが、この
タイミングで何枚も食べられる物ではない。
Macaron pistachio & matcha
↑抹茶だけでなく若干白味噌も入っている
マカロン。
お店の場所・予約方法
SMRT・SBS Transit各線 Outram Park駅4出入口から徒歩1分程度
予約方法:電話予約又はネット予約
※ギャランティ支払用のクレジットカード番号を電話で伝えるのが不安な方はレストラン公式サイトからの予約を推奨
TEL:+65 6534 8880
ネット予約:https://www.restaurantzen.com/(公式HP)
予算(参考)
メニュー:おまかせコース1種 SGD580 アルコールペアリング SGD350 ミックスペアリング SGD300 ノンアルコールペアリング SGD250
滞在時間:およそ3時間半程度(ランチタイム訪問)※おまかせコース昼夜同一料金
注文した料理:おまかせコース、ノンアルコールペアリング
会計:SGD986.05(106,500円) サービス料10%、消費税込(2023.08現在)