Bon.nu(ボニュ)の味を極限
まで極めた究極の引き算料理
余計な物を極力使わず食材の持つ旨味を最大限引き出す調理法による料理を出す事で有名な参宮橋の名店Bon.nu。旨味を添加しなくても美味しい料理は出来る事を食べて強く実感し再度訪問してみたいと思っていたタイミングで当時のシェフが独立し会員制店舗を立ち上げるとの情報を得てクラウドファンディングにて会員権を所得。オープン当初から未だになんだかんだ不定期に訪問させて頂いているお店になる。
店内はカウンター6席、個室1部屋4人席の10席。カウンター席はライブ感溢れる劇場型スタイル。
ペアリングは基本、皿数に対して1杯。対して飲めない筆者はいつも適当にチョイス。
Bon.nuでシェフをされていた時よりもさらに添加する物を省き美味しさに関しては格段にレベルが上がっているように思える。オープン当初よりも料理に使う添加物が塩と水のみで作り上げる一品がより一層増しているように感じられ若干!?不安にさせられるのだが、どれも実に美味い。
ここまでシンプルに料理を作り上げてしまうと今後この美味しさをどうやってレベルアップしていくのか一素人には先が見えないのだが、見えないからこそ定期的に覗いてみたくもなるレストランでもある。
(2024年8月追記)
久々に最近のコース料理をアップしてみたくなったので気まぐれで追加。
料理内容(参考)
2023年4月のある日のSTANDARD COURSE
新玉葱のスープ
↑水、塩のみで作ったスープ。
相変わらず旨味をシンプルに引き出す
始めの一品。
塩だけでマリネしたフォアグラとトースト
↑蜂蜜代わりのワインがないと料理として
完成しない一品。う〜ん、ズルい。
見蘭牛のタルタル
↑塩と沸騰したお湯で作った一品。
温かいからこそ肉の旨味が引き立つ。
ユッケがただタレを味わう料理である事を
知ってしまう悲劇の一品。
酸味のある干し葡萄の味わいが引き立つ
一杯がたまらん。
フライド鳩
↑KFCならぬKFPバスケットで提供される
フライド鳩。見た目とのギャップでまた感動。
相変わらずジューシーな旨味の塊。
鳩肉も食べ比べてみるとお店によってまた
表現方法が異なるので面白い。
そら豆のニョッキ
↑一瞬、ただのそら豆と勘違いしそうな
ニョッキ。皮の周りについているワタ状の
ソースと共に頂く一品。
筍と筍の穂先で作ったソース
↑美味しい筍にその筍から作ったソースなら
普通に合うに決まってるだろ〜と言いたくも
なるが、またまた水と塩だけでソースとして
完ペキ表現されているので全く反論できない
一品、やっぱり美味い。
芝海老のビスク
↑痛風だと飲めない別名プリンジュース。
芝海老を丸ごとミキサー。相変わらず添加物
は塩と水だけ。海老の殻の旨味が効いていて
より一層美味さを感じる一品。
お米のリゾット 花山椒
↑オープン当初からスタンダードコース
定番の一品。毎度食して不思議に思うのは
水と塩だけで何故にこの味を引き出せるのか
謎は深まるばかり。
鰯の冷製カッペリーニ
↑こちらも定番の一品。
スープに鰯の旨味がたっぷりと染み込んで
いて美味。この一品でラーメン店をオープン
しても普通に行列店になりそうな一品。
これは迷わず替え玉をオーダ。
見蘭牛のイチボのブロック
↑カットしにくいが、脂味が美味い。
噛めば噛むほど旨味が出てくるイチボ。
↑肉料理に合わせてサーブされたワイン。
シレッと提供するワインではないような気も
するが、気前よく開栓してしまうソムリエ。
牛乳ジェラート
↑牛乳と塩と水…は流石に無理があるので
牛乳と砂糖のみで作ったジェラート。
グラッパの味変で2度楽しめる美味しさ。
プリン
↑下層部は滑らかな舌触り上層部は苦味の
効いた味わい。異なる味わいが楽しめる
〆の一品。
2024年8月のある日のSTANDARD COURSE
枝豆
↑枝豆と塩と水だけで作った一皿。
日本料理店でスタートに出されたら退場宣告
されているような若干ヒヤッとする一皿。
普段豆の部分だけで食べているが、サヤの
部分は常時太陽に当たっている事もあり豆の
部分と香りが異なるらしく豆とサヤの両方
使って旨味を引き立てているとの事。
塩フォアグラ
↑塩だけでフォアグラをマリネ。以前よりも
フォアグラのナチュラル感、旨味が増した
ように思えた一皿。この一皿は常に同じワイン
で合わせているような気がしなくもない。
榎の冷製カッペリーニ
↑榎感半端ないスープの旨味が素晴らしい。
榎を真空パックして蒸した際に出る水分を
絞って天風良にい留や成生でも使用している
素材を活かす太白胡麻油を合わせてソースを
作り出す。榎と塩と太白胡麻油で作ったパスタ
は病みつきになる一皿。料理に合わせて
勧められたワインに若干ヒヤッとしてしまう
が心の広いソムリエの事だから会計もきっと
いつも通りだろうと謎の安心感を持って頂く
一杯。
フライド鳩
↑トレイス名物KFP。半分この一皿目当てに
訪問しているような気がしなくもない齧ると
旨味がジュワッと出てくるジューシー鳩肉。
トレイスでこの一皿が出てこないと寂しい。
鮎のビスク
↑この日は岐阜の鮎に塩と水だけで作った
ビスク。鮎!を訴えかけてくるインパクト大な
旨味。美味しく焼き上げた鮎をストレートに
液体で頂いている感覚になるビスク。これは
食べる事が好きだった病人が死ぬ直前に味わい
たい究極の流動食になるかもしれない。
じゃがいも
↑メークイーン。低温油でじっくりと揚げた
一品。にい留等で頂く美味い天ぷら衣を
食しているようなサクッとした皮目と「いも」
の持つ糖の甘さ、トリュフの香りと共に味わう
美味な一品。
お米のリゾット
↑定番の米と塩と水で作ったリゾット。
鰯の冷製カッペリーニ
↑お腹に余裕あれば替え玉OKな一品。
いつきても鰯出汁が美味しいと感じるが、
シェフの話ではその日の鰯脂の状態によって
出汁のブレ幅が大きいらしくたまたま筆者訪問
時にいつも脂ののった鰯なのではとの事。
出汁を短時間でとろうとするにはどうしたら
いいかを考えたときに水に味を移す個体物を
ゼラチン質の多い動物性ではなく出汁を
とりやすい魚をミキサーにかければ出汁が
とれるだろうとの事から出来上がった一皿。
きのこのフラン
↑シメジ、舞茸、エリンギを3種をミンチ状に
して水を加えて2,3時間出汁をとった卵黄を
使わないフラン。この滑らかさと味わいは
北参道にある今や予約のとれないおかしやで
頂いた卵白プリンによく似た食感味わい。
いぶさな牛 サガリ
↑筆者はこちらで頂くのは初かもしれない
いぶさな牛。
牛乳ジェラート
↑牛乳と砂糖だけで作った定番デザートだが、
牛乳の旨味が効いたさっぱりと頂ける一皿。
味変用グラッパも未だ健在。
野草茶
↑カワラケツメイの野草茶。以前よく頂いて
いた黒豆茶よりすっきり飲みやすい味わい。
プリン
↑手前側は喫茶店で頂くようなハード系プリン
、奥側に食べ進めれば進めるほど舌触り
ふんわりなめらかな美味しさ全部取りプリン。
硬さが層毎に均等になっていて様々な食感を
楽しめて美味しい。
お店の場所・予約方法
東京メトロ日比谷線 広尾駅
予約方法:ネット予約 ※会員制
予算(参考)
メニュー:STANDARD COURSE ¥25,000〜 ※その日の食材により値段変動
滞在時間:およそ3時間程度
注文した料理 STANDARD COURSE、上記ワイン
会計:52,910円(2024.08現在)