「美味しい」の判断基準を
再考したいと思えたレストラン
麻布十番駅から徒歩5分程の住宅街にある小さなレストラン。
駅からお店に向かうと正面には麻布台ヒルズ、左側には六本木ヒルズ、右側には東京タワーと港区の象徴とでも言うべき商業施設が嫌でも目に入る。
店内は全てテーブル席。2024年2月現在はコース1種のみの提供。月毎にメニューは変わる。
驚くのは値付け。コース料理は¥6,000(外税)、ペアリングは5種¥3,800(外税)。通常のグラスワインの半量程度(60cc)との事だが、筆者のように対して飲めない方向けにさらに半値でグラス一杯30cc(一口、二口程度)のペアリングも提供しているので美味しい料理と合わせて少量飲みたい方等におすすめのフレンチレストランとなる。
料理はどれも一皿一皿非常にシンプル、全く映えない。そして全くと言って良いほど高級食材を使用せず、ごくごく普通の食材を使用して美味しく仕上げる。
最近は複数コース料理を設定している高級飲食店で一番高いコース料理を注文すると料理ジャンル問わず似たような高級食材を使用した偏った料理が提供されあまり面白みがなくなっているように感じる。
そんな高級食材を使った料理を真正面から否定する姿勢と普通の食材で美味しいと思えるレストランの存在は東京23区では非常に貴重と思えたためか、ついつい紹介したくなってしまう一軒でもある。
料理内容(参考)
ある日のコース料理とペアリングワイン
南アフリカ スパークリング
↑シャンパーニュっぽい作りをしたしっかり
とした味わいのスパークリングワイン。
アミューズ
↑つぶ貝を使った一品。つぶ貝の出汁と
シナモンがフワッと香る優しい味わいの一品。
イタリア 赤ワイン
↑ヴァッレ・ダオスタ州ワイン。
タンニンが弱くスッと飲める赤ワインの為か
牛蒡のスープと合わせやすいと感じた一杯。
ごぼう
↑牛蒡を感じるも蘞味のない優しい味わいの
スープと中身がエアなエクレア生地と共に
頂いた一皿。ワインと合わせた口内調理が
素晴らしいと感じた一皿。
フランス 白ワイン
↑青リンゴとマスカットの美味しいとこ取り
をしたような香りが特徴的なソーヴィニヨン
ぽくないソーヴィニヨンブランワイン。
じゃがいも
↑じゃがいものピューレに鶏出汁をかけた
一品。記憶が確かなら白ワインとスパイス
を練り込んだパンと合わせるとまた別の
旨味が楽しめこちらもワインで口内調理。
後日もう一度食べたいと思えた一品。
フランス 白ワイン
カレイ
↑カレイの火入れ口溶けは素晴らしい。
筆者には若干塩気が強めな印象。
白ワインのソースと箸休めのような存在感の
焼いたちぢみほうれん草も美味。
ドイツ 赤ワイン
↑タンニンがきつくない丸みのある特徴的
なソーヴィニヨンワイン。
鴨
↑リエブールアラロワイヤルを鴨で表現した
一皿。フォアグラではなく鴨のレバーや肝を
詰め赤ワインソースで仕立てたフレンチ大好き
グルマンならペロリと食せる一皿。
ビーツのピューレが良いアクセント。
ルバーブ
↑ルバーブから煮出したジュースでルバーブ
を煮てヨーグルトの泡を合わせた一皿目の
デザート。鴨の後に頂く程よい酸味と甘味
の融合した口内サッパリとするデザート。
ジャガイモ
↑はちみつクリームにジャガイモアイスと
ジャガイモチップスをのせたデザート。
ポテトチップスをフレンチで表現したら
こうなるであろう一皿。ポテチのように
食べ出すと止まらなくなる要注意な一皿。
ショコラ
↑フレンチの最後にあるあるショコラの一皿
だが、添えられたパッションフルーツや杏仁
、バニラの風味豊かなトンカ豆で作った
クリームが口の中のショコラ特有のざらつき
を和らげるいい意味で想定外な一皿として
印象に残ったデザート。
子菓子1
↑牛乳を泡立てて焼いた千石黒豆の焼き菓子。
濃厚でふわふわな牛乳菓子が印象的。
子菓子2
↑シュー生地内部に自家製ラムレーズン。
前回訪問した際もこの自家製ラムレーズンは
独特な旨味の他では味わえない珍味系。
子菓子3
↑ホットチョコレートと胡桃菓子。
ホットチョコレートだけでも美味いが、胡桃
菓子を口に含んで再度ホットチョコレートを
飲むと不思議と旨味が増す一品。
ハーブティー
↑食後のお飲み物は珈琲、紅茶、ハーブティー
から選択。
お店の場所・予約方法
東京メトロ南北線・都営地下鉄大江戸線 麻布十番駅6出入口から徒歩5分程度
予約方法:電話予約又はネット予約
TEL:03-6426-5589
予算(参考)
滞在時間:およそ2時間程度
注文した料理 コース料理、ペアリングワイン5種
会計:10,780円(2024.02現在)