ここ最近頂いた少量多皿コース
の中では印象に残るお店
六本木駅から徒歩1〜2分程の場所にある筆者が時々訪問しているバー「ケージュレップ」の向かい側のテナントビル2Fに入るフレンチを基本にしたイノベーティブ料理店になる。
店内はカウンター席8席のみのオープンキッチンスタイル。ペアリングはアルコールペアリング(¥11,000)ノンアルコールペアリング(¥8,800)共に用意がある。グラスノンアルコール、アルコールワインが1,2千円前後から同地区の値付け幅で用意がある。
土日限定ランチコースであれば10,000円以下のコースの提供もある。
どのお皿もフレンチの旨味引出しの技法を徹底しつつ、そこからイノベーティブ料理としてシェフオリジナルの料理として生み出された料理である事が食べ歩きが好きな方であればすぐに分かるであろう味わいの数々である。
少量多皿のイノベーティブ料理というと見た目綺麗で記憶に定着する料理が少なく何を食べたのか記憶に残らないような料理が多い中、こちらはどのお皿も比較的印象に残る味わいの料理が多くイノベーティブジャンルの中では久々に再訪したいと思えたお店の一軒となる。
料理内容(参考)
ある日の旬の素材を生かした全20品コース
玉蜀黍 / 塩水雲丹
↑良く見る組み合わせの一品だが、玉蜀黍の
甘味とミョウバン臭くない紫雲丹のバランス
が丁度良く美味い。
どんちっち鯵 / 人参
↑温かいエスカベッシュの鯵に人参の仄かな
香りを放つ花と甘味のほとんどない小メロン
で甘ったるくも脂っこくもない綺麗な味わい。
海松貝 / 蓴菜
↑海松貝と蓴菜で酸味の効いた味わいになる
かと思いきや海松貝の肝ソースが酸味を中和
し実にまろやかな味わいを引き出す一品。
鮎 / 胡瓜 / エストラゴン
↑鮎の頭部はカリッと焼き上げ、胡瓜と
エストラゴンソースで身の苦味を優しく包み
こんだ一品。これが地味に美味い。
縞鯵 / 丸茄子
↑瞬間燻製の香りと縞鯵のダブルの旨味。
揚げ浸しの丸茄子にシェリービネガソース
も良い味わい。香りと旨味を楽しむ一品。
梭子魚 / モロヘイヤ
↑表面軽く炙った梭子魚にモロヘイヤと
コンソメを合わせたジュレ、下には白海老。
3つの素材はどれも美味。
天使の海老
↑あるあるだけど海老の出汁はメチャ旨。
これにプリプリ海老とフランが合わさる
ならもはや痛風茶碗蒸し。
鮑 / 青豌豆 / 枝豆
↑蝦夷鮑と鮑の肝だけでも普通に美味しい
組み合わせだが、そこにグリーンピースの
ピューレと枝豆を合わせよりマイルドな味わい
に仕上がっているのが素晴らしい、美味い。
太刀魚 / ラタトゥイユ
↑フリット以上に夏野菜、トマトで煮込んだ
ラタトゥイユが美味。
のどぐろ / カルナローリ
↑のどぐろの頭や骨で出汁をとったスープド
ポワソンが激ウマ。天使の海老フランに
負けず劣らず素晴らしい。火入れ抜群な
のどぐろの身も美味い。
牡丹海老 / ブランデー
↑甘味たっぷり含んだ牡丹海老とブランデー
が良く合うこと。「すし㐂邑」で頂く
蟹のブランデー漬けを思い出す味わい。
穴子 / トリュフ
↑穴子の泥臭さをサマートリュフで上手に
カバーしたのだろうかと思わせる一品。
ベースのスクランブルエッグと合わせて非常
に美味しい。
お口直し / だだちゃ豆
↑わお!この香りの付き方は数日前に訪問した
「ラパルタメントディナオキ」で頂いた燻し
ミルクのだだちゃ豆バージョンのような旨味
味わい。実にレベルの高いお口直しの一品。
鰻 / 紫
↑炭火地焼きの皮パリ鰻にXO醤とよだれ鶏
ソース、これは普通に鰻だけで食べたいかも
しれない。実山椒パウダーが救い。
和牛ヒレ / 南瓜
↑ナイフの入が素晴らしい和牛ヒレ。ポート
ワイン、マスタード、主張しすぎない南瓜の
甘味とガラムマサラスパイスの融合。
ヒレ肉とソースの相性が良く記憶に残る一皿。
〆の一品 / コンソメ
↑2日間かけてとった仔牛のコンソメスープに
中華そばと上からサマートリュフを入れた
繊細な味わいのラーメン。他のラーメン店
に行って美味しいを感じとれるのか不安に
させられる一杯。コンソメがマジたまらん。
韃靼蕎麦茶 / ピスタチオ
↑蕎麦のブランマンジェにピスタチオオイル。
韃靼蕎麦を炒った食感サクサクの蕎麦の実で
何とも品の良い味わいのブランマンジェ。
非常にさっぱりとした味わいで美味い。
大葉 / パッションフルーツ
↑大葉のアイス、ヨーグルト、パッション
フルーツソース、サクサククランブル、
レモングラスのジュレ、赤紫蘇のグラニテを
入れた酸味と甘味と香りが融合したいかにも
イノベーティブ系の最後を飾る系のデザート
だが素材それぞれが非常に美味しく大葉の
アイスやレモングラスジュレは繊細かつ
爽やかな余韻を残す記憶に残る味わい。
鹿児島県知覧産・有機雁が焙じ茶
↑大葉のアイスの後だと不思議とこのお茶が
よく合う。そこに子菓子のプリンだからまあ
合わないわけはないのだが、実に美味しい。
子菓子
↑フィナンシェと石川県加賀棒茶のプリン。
最後の子菓子もまた繊細な味わい。
お店の場所・予約方法
東京メトロ日比谷線・都営地下鉄大江戸線 六本木駅7出入口から徒歩1分程度
予約方法:電話予約又はネット予約
TEL:03-6804-1278
予算(参考)
滞在時間:およそ2時間半程度
注文した料理:おまかせコース、イチローズモルト:1杯
会計:24,200円 ※サービス料10%込(2023.07現在)