くすのき – 四ツ谷/天ぷら

東京都

最高の食材を匠の技法により最高の価格で頂く至高のてんぷら

名古屋から東京へ移転したてんぷらの名店くすのき。おまかせコースは5万円からと非常に高めの価格であるにもかかわらず予約が取れず空席通知が出ても数秒で無くなる人気店。

一度訪問してみたいと思っていたところ、たまたま訪問日の前日に空席を確保出来たので訪問。食材の美味しい冬の季節はどこの高単価飲食店もコース価格が高めになるので今回訪問したタイミングは2023年時点の最高価格となるのだろう。

店内はカウンター6席のみ。一斉スタートの為、記憶が確かなら開始時間の10分前にドアオープンとなる。

当たり前なのだろうが、師の説明を伺っているとプレゼン慣れしているな〜という事がすぐに分かる。「天ぷらの油は食べるためではなく揚げるためにある。」「油は炭焼きの炭のようにして扱う。」素人ながら非常に記憶の残るメッセージが食事の合間に出てきてなるほどと感じる。

揚げたてんぷらを置く和紙に油が全くつかないのがこのお店で頂くてんぷらの素晴らしさなのだろう。師がてんぷらの旨味が逃げてしまうので出来上がったらなるべく早く食べてほしいとの説明は事前に受けるのだが、若干時間をみて箸でつまみあげても和紙に油が全くつかない。これには非常に驚かされる。

蓄熱効果の高い砂鉄鍋を使用しているからなのか、全くといって良いほど天ぷらを揚げる際に発せられるてんぷら店あるあるのジュワーという音が聞こえてこないのもここのお店ならではだろうか。

てんぷらに添加する塩は提供する食材により加減を変える必要があるとの事で店主の判断によりふりかける。故にカウンター上には一切用意はない。

どれも素晴らしいが、この日記憶に残ったのは8日寝かせの虎ふぐてっさにフグ醤油を軽くかけた一品、美味しいクリームコロッケのような旨味を放つ白子やカラスミと見間違えてしまう色合いの宿儺南瓜、牛乳・バター・クリーム・小麦粉不使用の蟹クリーム等どれも旨味の塊である。蟹味の身と腹部分の食べ比べも同じ蟹から採れたものとは思えない味わいの違いがあり印象的である。

また師おまかせで提供して頂くワインや日本酒も素晴らしい。胡麻油を包み込む美味しさの白ワインは思わず記録して自宅に置いておきたい1本になる味わいだろう。

淡々とてんぷらが提供されるだけでなく所々に口直しの一品が挟まれるので食べ飽きる事もない。

おまかせコースのみでも十分お腹いっぱいになる量なのだが、ついつい追加オーダをしたくなる味わいの為か、この日用意があったブロッコリー、山牛蒡、自家製カラスミ、牡蠣、芽キャベツの5種類から2種類をチョイス。

単に「美味しい」てんぷらを求めて訪問する事が目的であれば全くおすすめはしない。師の料理の仕方でてんぷら一品一品に他のお店と比較してどれだけ旨味の違いが出てくるのかを体験してみたいという方におすすめしたくなるてんぷら店ではないだろうか。

ある日のおまかせコース

初味   越前蟹の蕪蒸し
先付け  虎河豚の炙り和へ
造里   虎河豚鉄刺
塩梅   一番出汁にて
天ぷら  車海老、車海老の頭、 海老ダレにてクワイ煎餅、菜の花、河豚、百合根
冷製   河豚の煮こごり
天ぷら  太刀魚、椎茸屋平松の3ヶ月物原木椎茸、河豚白子、下仁田葱、雲子
冷皿   雲子焼き〆菜の花、白子のたれ掛け
     散らし葱、花穂紫蘇、香り胡椒
天ぷら  蓮根、帆立、宿儺南瓜、蟹入り白子餅、帆立の炙り
     本ずわい蟹足身(蟹味噌だれと塩)、本ずわい蟹腹身しそ巻き
口変わり 春雨のカラスミ和へ
追加   カラスミ、牡蠣、山牛蒡、ブロッコリー、芽キャベツ
食事   漬け焼きした河豚のあら身にて炊き込みご飯、河豚吸い
     蟹ご飯にて蟹だし天茶漬け/かき揚げ(車海老、芹、帆立)
香物   山牛蒡のきんぴら、大根の氷〆
水物   宿儺南瓜のなめらか羊羹
一福   丹波篠山黒玄米茶

料理内容(参考)

お店の場所・予約方法

東京メトロ丸の内線・南北線 四ツ谷駅2出入口から徒歩3分程度

JR中央線 四ツ谷駅四ツ谷口から徒歩4分程度

予約方法:ネット予約

ネット予約:OMAKASE

予算(参考)

メニュー 天婦羅のコース ¥27,500 くすのきのコース(春夏)¥55,000 (秋冬)¥60,500

滞在時間:およそ3時間程度

注文した料理 おまかせコース、追加てんぷら:2種、ミネラルウォータ:1本、黒豆茶:1杯、グラスワイン(白):2杯、日本酒:1杯

会計:74,900円 (2023.02現在)※使用食材によりコース価格変動あり

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